福沢諭吉の最も有名な書物の冒頭は
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」とはじまる。

ところが現実は知恵のある人ない人、豊かな人貧しい人、
公平なはずがさまざまの人がいる・・・・

<以下現代文訳>
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている。
人は生まれながら貴賎上下の差別はない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、
賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。
その違いは何だろう? それは甚だ明らかだ。
賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。
人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは
貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ

冒頭の『天は・・・』は有名なフレーズで、当時アメリカ合衆国独立宣言の言葉に影響を受け
All men are created equal  と英訳されることが多い。むしろ順序は英語を日本語に訳した
時に『天は・・・』とした可能性の方が有力と聞く。
上記文を直訳すると少々長くなります。
It is said that heaven does not create one man above or below another man. 

ここでは学問の必要性を改めて認識すべく内容としてここにポイントを上げてみた。
明治維新後、自由・独立・平等の、それまでの日本人が知らなかった3つの価値観が新時代の社会を支配することを宣言し、新時代における身分は生まれではなく、学問を通じた個人の見識により決定することを述べ、権威への服従を中心的価値観とする封建社会の民衆像を否定し、近代国家の市民への意識転換を促すことである。

①天は人の上に人をつくらず 人の下に人をつくらず
②学びて富み、富みて学ぶ
③世の中で一番美しいことは、すべてのものに愛情を持つことである
④世の中で一番楽しく立派なことは、一生を貫く仕事を持つことである
⑤世の中で一番悲しいことは、嘘をつくことである
⑥世の中で一番みにくいことは、他人の生活を羨むことである
⑦目先の利益を見ない
⑧進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む
⑨人に迷惑をかけない限り、人間は自由である
⑩人間は負けると分かっていても、たたかわねばならないときがある

①All men are created equal.
②If you spend money for yourself, you can get money later.
③The most beautiful thing is to  have affections for everything.
④It is the most fun to have a work that extends over a lifetime.
⑤The saddest thing in the world is to tell a lie.
⑥The ugliest thing is to envy other lives.
⑦Don’t see immediate profits.
⑧A person who doesn’t go forward without fail will go backward, a person who doesn’t  go backward without fail will go forward.
⑨Humans are free unless humans cause someone trouble.
⑩There are times we must fight even though human beings know we will  lose.